コンジョイントによる商品力・ブランド力調査
限界支払意志額リサーチのご案内
~商品の適正価格に統計手法でアプローチ~
コンジョイント分析は、消費者の商品選択時の考え方、商品スペックやブランド、価格などのトレードオフを再現し、それぞれの商品や商品スペックがどの程度、消費者に選好されているかを数値化する手法です。
限界支払意志額リサーチはコンジョイント分析を用いて、商品や商品スペックに対して消費者が「支払ってもよい」と考える価格=限界支払意志額を統計的に測定するとともに、商品がいくらであればどれだけ購入されるか、価格と購入率の関係を導きます。
コンジョイント分析とは
Øコンジョイント分析は消費者が商品やサービスを購入する際に、市場にあふれるたくさんの商品の中から購入する商品をどのように
決めているか、商品の選択意識を分析する調査手法です。
限界支払意志額とは
限界支払意志額(marginal willingness to pay、MWTP)とは、モノやサービスに対して消費者が
「支払ってもよい」と考える最大の価格。
限界支払意志額が解決する調査テーマ | |
■その商品に消費者はいくらまで支払ってくれるか ⇒その商品が消費者に受け入れられる最大価格はいくらか? ⇒その商品はライバル商品と比べていくらの価格差が妥当と消費者は考えているか? ⇒ライバル商品よりいくらまでなら高くても購入するか? ⇒いくら安くしないと選ばないか? |
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商品の個々のスペック、機能に対して消費者はいくら支払ってもよいと考えているか? ⇒例えば、頭痛薬の「眠くならない」効能に対して消費者はいくら支払うか? ⇒サービスを追加すると、いくらの価格が上乗せできるか? ⇒商品の価格価値を最も高くできるデザインやキャッチコピーはどの案か? ⇒例えば、トクホのラベル表示でいくらの価格が上乗せができるか? |
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性能が上がると、どれだけ価格価値が上がるか? ⇒例えば、掃除機が100g軽くなるごとに、価格価値はいくら上がるか? ⇒充電の持ち時間が1分延びるごとに、価格価値はいくら上がるか? |
《事例1》白米ブランドの限界支払意志額
■調査目的
白米の産地ブランドに対して消費者はいくらの価格価値を認める(=支払える)のか。産地ブランドの商品価値を消費者が支払える額を導く。
■属性・水準設定(属性数2・水準数4)
属性 |
水準1 | 水準2 | 水準3 | 水準4 |
ブランド |
北海道産ゆめぴりか |
あきたこまちブレンド米 | 富山県産こしひかり | 栃木県産なすのひかり |
価格 | 1580円 | 1780円 | 1980円 | - |
■調査サンプル
調査対象者は30代既婚女性50人。
■コンジョイント質問
2つのプロファイルから最も購入したいものを選ぶ質問形式7問。限界支払意志額の測定には選択型コンジョイントを適用する。
※ブランドの数により、1問に表示するプロファイル数、質問数は変わります。
質問を実際にお試しください。
■調査結果
ブランド米の4商品について、それぞれのお米の価格と購入率の関係が、下図のように示されます。
限界支払意思額は消費者の50%が払ってもよいと考える商品の限界の支払い価格です。「北海道ゆめぴりか」は2,180円で最も高く、次点の富山こしひかりは1,965円で215円の差があります。
表1:条件付きロジットモデルの推計結果
係数 (B) |
標準誤差 | Wald | 自由度 | 有意確率 |
オッズ比 Exp(B) |
95.0%信頼区間 | ||
下限 |
上限 |
|||||||
北海道ゆめぴりか |
0.872 |
1.494 | 0.340 | 1.000 | 0.559 | 2.392 | 0.127 | 4.475 |
富山こしひかり | 0.786 | 1.692 | 0.216 | 1.000 | 0.642 | 2.196 | 0.079 | 6.063 |
栃木県産なすのひかり | 0.452 | 1.579 | 0.038 | 1.000 | 0.844 | 1.363 | 0.061 | 3.016 |
あきたこまちブレンド | 0.410 | 1.767 | 0.049 | 1.000 | 0.824 | 1.479 | 0.046 | 4.726 |
価格 | -0.0004 | 0.001 | 0.164 | 1.000 | 0.685 | 0.999 | 0.997 | 1.001 |
表2:限界支払意志額(MWTP)
北海道ゆめぴりか |
2,180円 |
富山こしひかり |
1,965円 |
あきたこまちブレンド | 1,130円 |
栃木県産なすのひかり | 1,025円 |
《事例2》頭痛薬の”効能”に対する限界支払意志額
■調査目的
頭痛薬の特長・効能に対して消費者はいくらの価格価値を認める(=支払える)のか。「即効性」「眠くならない」「胃に優しい」の3要素について、消費者が支払える限界支払意志額を測定する。
■属性・水準設定(属性数4・水準数最大3)
属性 |
水準1 | 水準2 | 水準3 |
即効性 | ○ | × | - |
眠くならない | ○ | × | - |
胃に優しい | ○ | × | - |
価格 | 800円 | 1000円 | 1200円 |
■調査サンプル
調査対象者は30代既婚女性50人。
■コンジョイント質問
2つのプロファイルから最も購入したいものを選ぶ質問形式8問。限界支払意志額の測定には選択型コンジョイントを適用する。
質問を実際にお試しください。
■調査結果
頭痛薬の3つの付加機能「即効性」「眠くならない」「胃にやさしい」それぞれについて、機能の価格と購入率がわかります。
機能がなかった場合、限界支払意思額は0円ですが、 「即効性」がある場合は584円となり、これが「即効性」機能の付加価値の価格です。
表1:条件付きロジットモデルの推計結果
係数 (B) |
標準誤差 | Wald | 自由度 | 有意確率 |
オッズ比 Exp(B) |
95.0%信頼区間 | ||
下限 |
上限 |
|||||||
即効性が高い |
2.335 |
0.210 | 3.724 | 1.000 | 0.053 | 10.329 | 0.009 | 1.037 |
胃に優しい | 2.269 | 0.255 | 3.265 | 1.000 |
0.071 |
9.669 | 0.008 | 1.211 |
眠くならない | 0.739 | 0.779 | 0.900 | 1.000 | 0.342 | 2.073 | 0.031 | 2.199 |
価格 | -0.004 | 0.003 | 0.401 | 1.000 | 0.222 | 1.004 | 0.988 | 1.002 |
表2:限界支払意志額(MWTP)
即効性が高い |
584円 |
胃に優しい |
567円 |
眠くならない |
185円 |
《事例3》コードレス掃除機の”性能”に対する限界支払意志額
■調査目的
コードレス掃除機の性能が上がると消費者はいくらの価格価値を認める(=支払える)のか。吸引力1W上昇あたりの価格、重さ100g軽量化あたりの価格、連続駆動時間1分延長あたりの限界支払額を測定し、性能と価格の関係を明瞭に示す。
■属性・水準設定(属性数4・水準数最大3)
属性 |
水準1 | 水準2 | 水準3 |
吸引力 | 100W | 115W | - |
重さ | 2.0Kg | 2.5Kg | - |
連続駆動時間 | 20分 | 40分 | - |
価格 | 20,000円 | 25,000円 |
30,000円 |
■調査サンプル
調査対象者は30代既婚女性50人。
■コンジョイント質問
2つのプロファイルから最も購入したいものを選ぶ質問形式8問。限界支払意志額の測定には選択型コンジョイントを適用する。
質問を実際にお試しください。
■調査結果
コードレス掃除機の吸引力を1W上げることに対して追加的に支払ってよい価格は920円である。重さは軽量化100gあたり1,384円の価格に相当し、連続駆動時間1分の短縮は602円に相当する。
表1の係数の値は各属性(吸引力、重さ、連続駆動時間)が1単位変化した時の効用指標の変化を表している。表2は限界支払意志額を算出した結果である。吸引力が1単位(=1W)増えると効用指標は0.920上昇する。一方、価格の1円の上昇は0.001の効用指標の低下をもたらすので、吸引力が1W増える性能アップに対して支払ってもよい価格は920円(0.92/0.001)と算出される。同様にしてそれぞれの性能に対する限界意志額が算出できる。
表1:条件付きロジットモデルの推計結果
係数 (B) |
標準誤差 | Wald | 自由度 | 有意確率 |
オッズ比 Exp(B) |
95.0%信頼区間 | ||
下限 |
上限 |
|||||||
吸引力(w) |
0.920 |
0.982 | 0.877 | 1.000 | 0.348 | 2.510 | 0.365 | 7.226 |
重さ(Kg) | -13.837 | 1.056 | 0.675 | 1.000 | 0.411 | 0.000 | 1.538 | 6.063 |
連続駆動時間(分) | 0.602 | 0.728 | 0.683 | 1.000 | 0.408 | 1.826 | 0.437 | 7.615 |
価格 | -0.001 | 0.001 | 0.405 | 1.000 | 0.524 | 0.998 | 0.995 | 1.002 |
表2:限界支払意志額(MWTP)
吸引力(1wあたり) |
920円 |
重さ(100gあたり) |
-1,384円 |
連続駆動時間(1分あたり) |
602円 |
《事例4》ノンアルコールビールの”トクホ・機能性表示食品”に対する限界支払意志額
■調査目的
トクホ、機能性表示食品に対する消費者の価値観を価格で示す。ノンアルコールビール(350ml)がトクホの場合、機能性表示食品であった場合の限界支払意志額を測定する。
■属性・水準設定(属性数2・水準数最大4)
属性 |
水準1 | 水準2 | 水準3 | 水準4 |
表示ラベル |
トクホ 「脂肪の吸収を抑える」 |
機能性表示食品 「脂肪の吸収を抑える」 |
表示なし | - |
価格 | 120円 | 130円 | 140円 | 150 |
■調査サンプル
調査対象者は30代既婚女性50人。
■コンジョイント質問
2つのプロファイルから最も購入したいものを選ぶ質問形式7問。限界支払意志額の測定には選択型コンジョイントを適用する。
質問を実際にお試しください。
■調査結果
トクホで「脂肪の吸収を抑える」と表示されているノンアルコールビールの限界支払意志額は153円、機能性表示食品で同じく「脂肪の吸収を抑える」と表示されている場合は145円、一方、表示ラベルがなければ112円にとどまる。従って、トクホであることは、表示のないものに比べて41円の付加価値があり、機能性表示食品であることは33円の付加価値がある。
表1の係数の値はノンアルコールビール(350ml)がトクホ(表示ラベル「脂肪の吸収を抑える」)であった場合、機能性表示商品(表示ラベルは同じく「脂肪の吸収を抑える」)であった場合、及び表示ラベルがなかった場合、それぞれの効用指標である。表2は限界支払意志額を算出した結果である。トクホの場合、効用指標は2.606上昇する。一方、価格の1円の上昇は0.017の効用指標の低下をもたらすので、トクホのノンアルコールビールに支払ってもよい価格は153円(2.606/0.017)と算出される。表示なしの場合は112円であるため、その差額41円がトクホであることで追加的に支払える金額となる。同様にして、機能性表示食品であることで33円(145-112)が追加的に支払える金額となる。
表1:条件付きロジットモデルの推計結果
係数 (B) |
標準誤差 | Wald | 自由度 | 有意確率 |
オッズ比 Exp(B) |
95.0%信頼区間 | ||
下限 |
上限 |
|||||||
トクホ「脂肪の吸収を抑える」 |
2.606 |
0.944 | 0.493 | 1.000 | 0.003 | 13.554 | 1.095 | 1.256 |
機能性表示食品「脂肪の吸収を抑える」 | 2.468 | 0.609 | 0.221 | 1.000 | 0.004 | 11.806 |
1.029 |
1.059 |
表示なし | 1.904 | 0.655 | 0.850 | 1.000 | 0.005 | 6.719 | 0.999 | 0.999 |
価格 | -0.017 | 0.061 | 0.908 | 1.000 | 0.004 | 0.982 | 0.856 | 0.907 |
表2:限界支払意志額(MWTP)
トクホ「脂肪の吸収を抑える」 |
153円 |
機能性表示食品「脂肪の吸収を抑える」 |
145円 |
表示なし |
112円 |
限界支払意志額リサーチ料金(概算)
属性数 | 水準数 | 必要質問数 | 料金(税別) |
2~4 | 3 | 9 |
20万円 |
4 | 16 | 20万円 | |
5 | 25 |
25万円 |
|
5 | 3 | 16 | 20万円 |
4 | 16 | 20万円 | |
5 | 25 | 25万円 | |
6 | 3 | 18 | 20万円 |
4 | 25 | 25万円 |
<属性・水準数について>
<アウトプットについて>
<料金に含まれる業務>
lアンケート質問設計
<料金に含まれない業務>
限界支払意志額の測定のほかにも・・
シェア・シミュレーションなど調査テーマにより最適なコンジョイントをご提案致します。
コンジョイント分析の調査方法は商品特徴を組み合わせたカード式質問やコンジョイントプログラムACA(Adaptive Conjoint Analysis),CBC(Choice-Based Conjoin)などの方法があります。
調査テーマによって最適なコンジョイントの手法をご提案します。